自身のポートレイトを描く過程において、ナルシシズムについて考察をする新進気鋭のアーティスト杉山日向子。本展「Mirror Play」は、新作絵画を中心に20点以上を展示する過去最大規模の個展となる。
外見や自己認識の探究を絵画という手法で軽やかに表現すると共に、自己と対峙する作家の心の内面や強く燃えるエネルギーを感じられるだろう。
私が自画像を描き始めたのは、他人から容姿について誹謗中傷されたことへの反発からだった。
最初は自分を守るために、他人の評価を否定するような形で描いていたけど、SNSやメディアでルッキズムが問題になっている今、自分をどんな形でも表面的に受け入れることが大切だと感じるようになった。
外見や容姿に対する期待をどう求めるかは自由だけど、とりあえずは今の自分を受け入れることが鍵になると思っている。
鋭く、強く身を投げていきたい。どうなるかは誰にもわからないけれど、未来の自分と今の自分にも期待して、自分任せ。雑音が聞こえたら大声を上げて、コンプレックスを掻き消すように、信じられるものは自分だけだから。
杉山日向子