炎のアーティスト「Travis Scott」人々を魅了し続ける作品と共に彼の足跡を辿る

炎のアーティスト「Travis Scott」人々を魅了し続ける作品と共に彼の足跡を辿る via David LaChapelle
Travis Scott(トラヴィス・スコット)は人気アーティストとして活躍する一方、ファッションアイコンとしても人気を博すなど、多方面での活躍を見せる存在。

自身をLa Flame(炎)と称す彼は、常に人々の注目を集めてやみません。

そんな彼の経歴やルーツを作品と共に辿ります。

音楽一家に生まれ、ヒューストンで過ごした少年時代

via PAUSE

Travis Scottは1991年4月30日、アメリカのテキサス州ヒューストンで生まれ、1歳〜6歳までは祖母と一緒に暮らしていました。

祖父はジャズ作曲家、叔父はベーシスト、さらに経営者であった彼の父親は退職したあとにドラマーになったという音楽家系です。

幼い頃から音楽と関わりが深く、3歳のときには父親からドラムセットをプレゼントされるなど、音楽の英才教育を受けて育ちました。

また、ドラムセットの次にはピアノを習い始めたのち、早くからビートメイキングにも挑戦する少年時代を過ごしています。

これらの経験が、のちに世界的アーティストとして活躍する彼のルーツといえるでしょう。

友人たちと共に音楽活動を始める

父親が退職してからドラマーになったことで経済的に厳しくなり、衝突することが多々ありながらも、Travis Scott自身も音楽の道に歩みを進めていきました。

この時期、ある友人とは「The Graduates(ザ グラデュエイツ別の友人とは「The Classmates(ザ クラスメイツ)」というラップデュオを結成しています。

via GQ

Travis Scottは、通っていたテキサス大学サンアントニオ校を音楽活動に専念するために両親に内緒で2年で中退し、学費を機材の購入費や渡航費などに充てて過ごしました。

その後、ニューヨークに移住して本格的に曲作りに没頭する中で、DJとして活躍していたMike Waxx(マイク・ワックス)と出会い、一緒に仕事をしたり、彼からアドバイスを受けたりしています。

ニューヨークの次はMike Waxxの勧めでロサンゼルスへの移住を決めましたが事がうまく運ばず、一旦はヒューストンへ戻るものの、再びロサンゼルスへ移りました。

そこで、ラッパーでレコードレーベルGrand Hustle(グランド ハッスル)のオーナーであるT.I.に楽曲「Lights (Love Sick)」を気に入られ、彼のスタジオに招かれることとなるのです。

多くのファンを驚かせ魅了した、1st~2ndアルバム

2012年にはEpic Records(エピック レコード)と最初のメジャーレーベル契約を結ぶとともに、Kanye West(カニエ・ウェスト)のGOOD Music(グッド ミュージック)と出版契約を結んでいます。

Kanye Westの6thアルバムやJay-Z(ジェイ Z)の12thアルバムにプロデューサーとして携わりながら、2013年には自身初めてとなるフルレングス作品「Owl Pharaoh(オウル ファラオ)」を発表。

その翌年には2ndミックステープ「Days Before Rodeo(デイズ ビフォア ロデオ)」をリリース。

この2作品は、アーティストTravis Scottの名をシーンに強く印象付ける作品となりました。

2015年には待望のデビューアルバム「Rodeo(ロデオ)」をリリースしました。

さまざまなゲストアーティストを迎えた本アルバムは高い評価を受け、初めて出したアルバムながら全米アルバム・チャートでは3位、全米ラップアルバム・チャートでは1位を獲得。

メジャーシーンに鮮烈なデビューを飾ったのです。

「Rodeo」の後、すぐに2ndアルバム「Birds in the Trap Sing McKnight(バーズ イン ザ トラップ シング マックナイト)」をリリースし、初の全米1位を獲得する快挙を遂げました。

世界的ファッションフォトグラファーのNick Knight(ニック・ナイト)がアルバムのアートワークを担当し、インパクトのある見た目となっています。

また、このアルバムには「the ends(ジ エンズ)」や「way back(ウェイ バック)」など、全14曲が収録されています。

“ラッパー”への葛藤、自身のレーベル「Cactus Jack Records」を立ち上げる

リリースしたアルバムが全米1位になるなど、誰しもが順風満帆なアーティスト生活をうらやむ中、突如として2017年に自身のレーベル「Cactus Jack Records(カクタスジャックレコーズ)」の立ち上げを発表。

その理由として、彼はラップだけでなくビート制作やビデオ制作などに携わりたいと考えているのに対し、所属レーベルには「ラッパー」という1つのカテゴリにくくられることに疑問を感じていたと、フランスのファッション誌インタビューで答えています。

また、自身の問題だけでなく、新しい名前を世に出すなど、ほかのアーティストに機会を提供する目的も含んでいると語っています。

3rdアルバム「Astroworld」を発表

2018年には3rdアルバム「Astroworld(アストロワールド)」がリリースされました。

アルバム名は、Travis Scottの生まれ故郷でもあるヒューストンにあったテーマパークの名前が用いられています。

収録曲はAstroWorldに実際にあった乗り物に対応するようにつくられており、地元への愛情が深い、彼らしいサプライズとなりました。

アルバムは全米初登場1位を獲得したほか、初の全米ナンバーワンシングルを生み出すなど多くの人の注目を集め、批評家からも高い評価を受ける作品となりました。

また、その後にリリースした楽曲が続けて全米初登場1位になり、「1年間で3曲が全米シングルチャート初登場1位を獲得した初のアーティスト」として全世界から注目されるアーティストとなったのです。

メタバース空間でのイベントも話題

メタバース空間として知られるフォートナイトというゲーム内でライブイベント「Astronomical(アストロノミカル)」ツアー を開催したことも話題になりました。

パフォーマンスでは、キッド・カディとの新曲「THE SCOTTS(ザ・スコッツ)」を世界初披露。

ゲーム内だからこそできる空間演出やコラボレーションスキンの発表などで、2770万人を超える参加者を魅了したのです。

無限の創造的な可能性を利用した演出でオリジナリティ溢れるライブパフォーマンスをおこなったのは、Travis Scottだからこそできたといえるでしょう。

ファッションアイコンとしての一面

Travis Scottはアーティストとしての活動のほかに、ファッションアイコンとしての一面も持ち合わせています。

オフィシャルファッションブランド「CACTUS JACK(カクタス ジャック)」で発売されるアイテムのほとんどは、自身の楽曲や自らのレーベルから発表される曲に合わせたものが多くを占めている点が特徴です。

また、DiorやNikeなどのファッションブランドからのオファーも多く、多くのブランドとコラボレーションをおこなっています。

さまざまな才能を持つTravis Scott

音楽、ファッションと様々な面から多くの支持を集める“炎のアーティスト”Travis Scott。

多岐に渡る才能と内に秘める炎のような熱量は彼の魅力といえるでしょう。

SNKRGIRL編集部
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神戸・東京・ニューヨークのメンバーと共にグローバルに活動するメディアチーム。

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