Bad Bunnyのハーフタイムショーが文化的だった理由|ラテン文化とメッセージを読み解く

Bad Bunnyのハーフタイムショーが文化的だった理由|ラテン文化とメッセージを読み解く

プエルトリコ出身のBad Bunny(バッド・バニー)2026年のNFLのSuper Bowl(スーパーボウル)で披露した13分間のHalf Time Show (ハーフタイムショー)のステージが、ラテンアメリカの誇りと、米国資本主義への批評、そして抑圧された人々への連帯が詰まった、極めてメッセージ性の強いものとして、大きな話題を呼びました。

スペイン語を中心に構成されたステージ、植民地支配の記憶や移民を取り巻く現実、日常を生きる人々へのまなざしが重ねられています。

本記事では、このショーがなぜ「文化的だった」と受け取られているのかを、象徴的な演出や背景とともに読み解いていきます。

Bad Bunnyのハーフタイムショーが文化的だった!

NFL Super Bowl」は、アメリカのプロアメリカンフットボールリーグ・NFLの年間王者を決める決勝戦。そのハーフタイムショーといえば、試合の合間に行われる音楽パフォーマンスであり、毎年世界中から非常に多くの視聴者を集める、アメリカ最大級のエンターテインメントのひとつとして知られています。

2026年2月8日(現地時間)にカリフォルニア州で開催された第60回となるその舞台において、プエルトリコ出身の「Bad Bunny(バッド・バニー)」がメインアーティストとして出演。

彼が見せたのは、ヒット曲を並べるショーではなく、プエルトリコの歴史や日常、そしてラテン系コミュニティが置かれてきた現実を、説明や翻訳を加えずに提示する構成でした。

英語を主軸とするのが一般的だったハーフタイムショーの中で、スペイン語をメインとしたパフォーマンスを行った点も、これまでのハーフタイムショーとは明らかに異なる点です。

れは単に使用言語が違ったというだけでなく、アメリカ文化の中心に置かれてきた舞台で、ラテン系の歴史や価値観をそのまま提示したという点で、文化的な意味を持つものでした。

Bad Bunnyのハーフタイムショーに込められたラテン文化とメッセージ

NFLのSuper Bowlで披露されたBad Bunnyのハーフタイムショーは、音楽パフォーマンスにとどまらず、ラテン文化やプエルトリコの歴史を随所に織り込んだ構成が印象的でした。

スペイン語を中心に、象徴的なモチーフや実在する人々を通して、ラテン系コミュニティが歩んできた背景や現在の姿が描かれています。ここからは、特に印象的だったパフォーマンスを見ていきましょう。

奴隷制を表すさとうきび畑

Bad Bunnyのハーフタイムショーが文化的だった理由

ショーの冒頭に映し出されたのは、プエルトリコのさとうきび畑でした。

さとうきび畑は、かつて先住民やアフリカ系の人々が強制労働に従事させられてきた場所であり、植民地支配と搾取の歴史を象徴しています。

この場所からショーを始めたことは、プエルトリコの過去が現在の社会構造と切り離されたものではない、というメッセージを静かに示していました。

かつて厳罰対象だったオリジナル国旗

Bad Bunnyのハーフタイムショーが文化的だった理由

ステージで掲げられた淡い水色のプエルトリコ国旗は、現在使われている公式デザインとは異なるものです。

これは、アメリカ統治以前に用いられていたオリジナルの配色で、独立運動と深く結びついた歴史を持っています。

かつては掲げるだけで処罰の対象となったこの旗を、世界最大級の舞台で示したこと自体が、強い象徴性を帯びていました。

本物の結婚式

Bad Bunnyのハーフタイムショーが文化的だった理由

パフォーマンスの途中で行われた結婚式は、演出用ではなく、実際のカップルによる本物の挙式でした。

スターではなく、地元の人々の人生の節目をショーの中心に据えたこの場面は、祝祭と日常が地続きであるラテン文化の価値観を自然に伝えていました。

TONITAさんの登場

Bad Bunnyのハーフタイムショーが文化的だった理由

ステージに登場したのは、ニューヨークで長年ラテン系コミュニティの拠点となってきた店を営むマリア・“トニータ”・カノさんです。

再開発やジェントリフィケーションの影響を受けながらも文化を守ってきた人物を登場させたことは、ラテン文化が単なる装飾ではなく、生活と抵抗の積み重ねであることを示していました。

次の世代へと受け渡されたトロフィー

Bad Bunnyのハーフタイムショーが文化的だった理由

ショーの中では、Bad Bunnyがグラミー受賞トロフィーを子どもに手渡す場面もありました。この演出は、個人の成功を強調するものというよりも、次の世代へと視線を向ける姿勢を示す一幕として受け取られています。

ラテン系コミュニティが歩んできた歴史や文化を、今を生きる世代だけで完結させるのではなく、これから先へとつないでいく。その流れの中に、この場面も静かに組み込まれていました。

実在する商店や仕事風景が映し出すラティーノの日常

Bad Bunnyのハーフタイムショーが文化的だった理由

ショーの中には、実在するタコス店、市場、ネイルサロンで働く女性、ドミノを楽しむ年配の男性たちなどが登場します。

これらはセットとして再現されたものではなく、実際に存在する商店や仕事の風景です。

音楽やダンスだけでは語りきれないラテン文化を、労働や日常の積み重ねとして映し出していた点も、このショーの特徴と言えるでしょう。

「SEGUIMOS AQUÍ(俺たちはまだここにいる)」に込められた意味

Bad Bunnyのハーフタイムショーが文化的だった理由

フィナーレで叫ばれたこの言葉は、再開発による排除に抗うスローガンです。

叫ばれた「SEGUIMOS AQUÍ」は、「俺たちはまだここにいる」という意味を持つ言葉。

土地が奪われ、言語が周縁化されても、「俺たちはどこにも行かない」。プエルトリコの人々、そしてアメリカで生きるすべてのラティーノに向けた、力強い存在証明となりました。

誰かを挑発するためではなく、自分たち自身に向けた確認の言葉として、このショーを締めくくっていました。

Bad Bunnyのハーフタイムショーが文化的だった理由

Bud Bunnyのショーの重要性ーアメリカ ICEによる移民弾圧への反発

Bad Bunnyのハーフタイムショーが注目された背景には、アメリカ国内で続く移民政策への緊張感があります。移民税関捜査局(ICE)による取り締まり強化は、ラテン系コミュニティにとって身近な問題となってきました。

このショーの1週間前、Bad Bunnyはグラミー賞で「ICE out」と叫び、移民排除への抗議を表明していました。

今回のショーでは、直接的な政治的スローガンを掲げるのではなく、スペイン語を中心としたパフォーマンスや象徴的な演出を通して、移民やラテン系の人々がこの社会に「確かに存在している」ことを示しています。

文化や生活をそのまま提示する構成は、排除への静かなカウンターとして受け取られ、多くの共感を集めました。

Bud Bunnyについて

Bad Bunny x adidas BADBO 1.0

Bad Bunnyは、プエルトリコ出身のアーティストで、スペイン語を中心とした楽曲で世界的な人気を獲得してきました。英語圏への迎合を強めるのではなく、自身の出自や文化を大切にしながらキャリアを築いてきた点が、彼の大きな特徴です。

音楽活動だけでなく、ファッションやスポーツ、社会的なテーマにも積極的に関わり、ラテン系コミュニティの存在感を可視化してきました。今回のハーフタイムショーも、そうした姿勢の延長線上にあり、Bad Bunnyというアーティストが何を大切にしてきたのかを示す場になっていたと言えるでしょう。

Bud Bunnyの人気コラボおすすめ4選

Bad Bunnyは音楽だけでなく、ファッションやスポーツブランドとのコラボレーションでも注目を集めています。

とくにスニーカーやウェアを中心に、グローバルな影響力を持つブランドとの共作が話題になってきました。ここでは、Bad Bunnyファンやカルチャー好きにおすすめしたい人気コラボを4つご紹介します。

Bad Bunny x adidas BADBO 1.0

Bad Bunny x adidas BADBO 1.0

バッド バニー × アディダス バッドボー 1.0
品番: KJ1468
価格: ¥ 26,400(税込)
リリース日: 2026.2.10国内発売

「BADBO 1.0」は、Bad Bunnyとadidasによるコラボレーションから誕生した、初のシグネチャーモデルです。アーティストとして独自の存在感を放ってきたBad Bunnyが、自身の名を冠した一足を発表したことで大きな注目を集めました。

今回のハーフタイムショーでもBad Bunnyが着用していたモデルです。

Bad Bunnyのハーフタイムショーが文化的だった理由

オールホワイトで統一されたクリーンなカラーリングが特徴で、中央には新たにデザインされた「BadBo」ロゴを配置。アッパーにはレザーやスエードを組み合わせ、素材のコントラストによって奥行きのある仕上がりとなっています。

ボリューム感のあるシルエットながら、淡いトーンでまとめることで重たさを感じさせず、幅広いスタイリングに取り入れやすいデザインです。スーパーボウルのハーフタイムショーで本人が着用したことも話題となり、Bad Bunnyの新章を象徴するモデルとして注目されています。

Bad Bunny x adidas Ballerina “Flamboyan”

Bad Bunny x adidas Ballerina “Flamboyan”

バッド バニー × アディダス バレリーナ “フランボヤン”
品番: KI7916
価格: $120
リリース日: 2026.5.15

「Ballerina “Flamboyan”」は、Bad Bunnyとadidasによるコラボモデルの中でも、プエルトリコの文化的背景を色濃く反映した一足です。

モデル名の“Flamboyan”は、プエルトリコの国花であるフランボヤン(鳳凰木)に由来しており、鮮やかなカラーリングが印象的です。

バレエシューズを思わせる細身のシルエットに、ストリートの要素を組み合わせたデザインは、ジェンダーやジャンルに縛られないBad Bunnyらしい表現として注目を集めています。

Bad Bunny x Mercedes AMG-PETRONAS x adidas ADIRACER GT

Bad Bunny x Mercedes AMG-PETRONAS x adidas ADIRACER GT


バッド・バニー × メルセデスAMGペトロナス × アディダス アディレーサー GT
品番:HQ2570
価格: $160
リリース日: 2025.11.16

モータースポーツの世界観を取り入れた「ADIRACER GT」は、Mercedes AMG-PETRONASとadidas、そしてBad Bunnyによるトリプルコラボモデルです。

レーシングシューズをベースにしたデザインは、スピード感や機能性を意識した作りとなっています。

音楽、スポーツ、ファッションという異なるカルチャーを横断するこのコラボは、Bad Bunnyがジャンルの枠を超えて活動していることを象徴する一足と言えるでしょう。

Bad Bunny x adidas Adizero SL72

Bad Bunny x adidas Adizero SL72


バッド・バニー × アディダス アディゼロ SL72
品番:JP5997
価格: $160/¥26,400 (税込)
リリース日:2025.9.27

「Adizero SL72」は、adidasのランニングシューズをベースにしたコラボモデルです。

軽量でクラシックなシルエットを活かしつつ、Bad Bunnyならではのカラーやディテールが加えられています。

過去のスポーツアーカイブに現代的な解釈を重ねたデザインは、懐かしさと新しさが共存する仕上がりとなっており、幅広い層から支持を集めました。

ラテン系の誇りを掲げるBad Bunnyはこれからも注目

Bad Bunnyは、音楽やファッションを通して成功を収めるだけでなく、自身の出自や文化を大切にし続けてきたアーティストです。

英語圏の主流に合わせるのではなく、スペイン語やプエルトリコの文化を軸に活動を続けてきた姿勢は、多くのラテン系コミュニティにとって象徴的な存在となっています。

今回のハーフタイムショーでも、特定の主張を声高に叫ぶのではなく、歴史や日常、文化をそのまま並べることで、ラテン系の人々が「ここにいる」という事実を静かに示していました。

その表現は、一過性の話題にとどまらず、これからのエンターテインメントやカルチャーのあり方にも影響を与えていく可能性があります。

音楽、社会、カルチャーを横断しながら発信を続けるBad Bunnyの動向は、今後も注目していきたいところです。

SNKRGIRL編集部
SNKRGIRL編集部
神戸・東京・ニューヨークのメンバーと共にグローバルに活動する編集部メディアチーム。

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