2024年以降ローファースニーカーが人気となり"選ばれた"理由
ローファースニーカーがここまで市民権を得たのは、決して偶然ではありません。
2024年以降に起きたこの流れは、単なるトレンドというより、足元に対する価値観が静かに書き換わった結果に近いように感じられます。
ローファーとスニーカーの融合自体は、実はずっと以前から存在していました。ただ、それは長い間、知る人ぞ知る存在にとどまっていた。それが今、なぜ一気に“多くの人に選ばれる靴”になったのか。

via New Balance
答えは、ファッションの話でありながら、実はかなり生活の話でもあります。
パンデミックを経て、私たちはもう「我慢しておしゃれをする」フェーズを抜けました。
ヒールで背伸びをすることや、革靴で足を固めることが特別な意味を持たなくなった一方で、ただ楽なだけの装いにも、どこか物足りなさを感じるようになった。
きちんと見せたい。
でも、頑張っている感じは出したくない。
スニーカーは履きたいけれど、いかにも“運動靴”には寄りたくない。
その、わがままで正直な気分の受け皿になったのが、ローファースニーカーだったのではないでしょうか。

via KEEN
ローファーの顔をしていながら、足を入れると驚くほど軽く、ストレスがない。
歩き心地はスニーカーそのものなのに、鏡に映る足元はどこか端正で、少し大人びて見える。
この違和感のなさが、2024年以降のムードと完璧に噛み合いました。
さらに決定的だったのは、「ちゃんと履ける」完成度のモデルが揃ったことです。
単なるデザイン遊びではなく、ランニングシューズ由来のソールやクッション性をきちんと活かしながら、ローファーとして成立するバランスを持った一足が現れた。
それによってローファースニーカーは、“挑戦的な選択肢”から、今もっとも現実的で旬な靴へとポジションを変えました。

主張しすぎないのに、埋もれない。
きれいすぎず、カジュアルすぎない。
オンとオフの境界が曖昧になった今のライフスタイルに、これほど都合のいい靴は、実はそう多くありません。
ローファースニーカーが支持されている理由は、流行っているからではなく、
「今の私たちの足元に、ちょうどいい答えだった」
ただそれだけなのかもしれません。
そして、このトレンドに決定的な火をつけたのがニューバランスの「1906L」の登場でした。

ローファースニーカーとは
ローファースニーカーがもたらすのは、単なる「良いとこ取り」ではありません。
ローファーが持つ端正さや品の良さを損なうことなく、スニーカーが本来備えている機能性と快適さを違和感なく足元に落とし込んでいる点にこそ、この靴の本質があります。
革靴にありがちな重さや硬さはなく、それでいてスニーカーだけでは出しきれない、どこか落ち着いた佇まいがある。そのバランスの取り方が、ローファースニーカーを単なるハイブリッドではなく、「今の気分にちょうどいい靴」へと押し上げています。
ローファースニーカーの特徴①:ローファーとして成立するデザインバランス

デザイン面においてローファースニーカーは「誇張しすぎてない」計算がされています。
厚すぎないソールのボリューム、ローファーとして成立するバランスを崩さない形状、そしてパンツにもスカートにも自然に馴染むシルエット。どれもが目立つためではなく、装い全体を引き立てるために設計されています。
ローファー特有のモカシン縫いや甲のラインは残しながらも、過度にクラシックにも、モードにも、スポーティーにも寄りすぎない、絶妙なバランス感のあるユニークな表情へと仕上げられていることは、ローファースニーカーが選ばれる理由の一つといえます。
ローファースニーカーの特徴②:ソール(靴底)はスニーカー仕様

via @curatedrush_
一方で、足を預けるソールは明らかにスニーカーの思想で作られています。クッション性に優れたミッドソールや、安定感のあるアウトソールによって、長時間歩いても足への負担が少ない。見た目からは想像しにくいほど軽やかで、歩くという行為そのものがストレスにならないのも、この靴の魅力です。
ローファースニーカーの特徴③:異素材ミックス

via GANNI
アッパーには、きめの細かいレザーや上質なスエードが使われることが多く、足元に自然な奥行きと陰影を生み出します。かと思えば、メッシュやパテントなどのスニーカーではお馴染みの素材も同時に使われることもあります。
結果としてこの靴は、履き心地の良さと見た目のきちんと感、そのどちらかを我慢する必要がありません。
快適であることを理由に妥協したように見えず、きれいに見せたいという欲求を無理なく叶えてくれる。その絶妙な距離感こそが、ローファースニーカーが今、多くの人に選ばれている理由なのです。
ローファースニーカーの変遷
「ローファースニーカーは現代のトレンド」と認識している方も少なくないかもしれません。しかし、そのルーツは意外にも深く、時代を超えて多くのブランドがこの革新的なフットウェアデザインに挑んできました。
ここでは、ローファースニーカーが辿ってきた興味深い道のりをご紹介します。
90年代のローファースニーカー:Converse One Star Loafer

ローファースニーカーの歴史を語る上で、最初に名を挙げるべきはコンバース。
遡ること1990年代、アイコン的存在である「One Star」の派生モデルとして「Converse One Star Loafer」が登場しました。当時のフットウェアシーンにおいて、このような異素材・異ジャンル融合の試みは極めて先駆的であり、その後のデザインに多大な影響を与えたと言われています。
Cole Haan(コールハーン)が手掛けたローファーはAir Max搭載?!
コンバースに続き、スポーツウェアの巨人Nike (ナイキ)もこのハイブリッドの可能性を追求しました。
ナイキがコールハーンを傘下に収めていた時期(1988年〜2012年)には、両ブランドの協業により、Air Maxテクノロジーを搭載したAir Aiden (エアーエイデン)などの ローファーやドレスシューズが展開されました。
これらは、厳密な意味での「スニーカー」とは一線を画すものの、ローファーのフォルムに革新的なクッショニング技術を組み合わせるという発想は、現代のローファースニーカーブームの萌芽と捉えることができます。
VANSからもローファースニーカーが登場
ストリートカルチャーの代名詞であるVANSがこの潮流に加わったのは、比較的近年のことです。
2021年には、スリッポンタイプとは異なる本格的なローファーデザインのスニーカー「VANS LOAFER」をリリース。

VANS特有の堅牢な構造と、ローファーのクラシックな美学が融合したこのモデルは、ストリートシーンに新たな解釈をもたらし、大きな注目を集めました。

爆発的人気の火付け役はNew Balanceのローファースニーカー
そして、2024年以降のローファースニーカートレンドに決定的な火をつけたのが、ニューバランス。

via @newbalance_t_house
特に「New Balance 1906L」は、その洗練されたデザインと、ニューバランスが誇る快適な履き心地により、瞬く間に世界中でヒット。
SNSや主要ファッションメディアを通じてその魅力が拡散されたことで、「ローファースニーカー」は一気にファッション界の最前線へと押し上げられることとなりました。
知っておくべき!女性にも人気のローファースニーカー
歴史的背景を紐解いたところで、ここからは今、最も注目すべきローファースニーカーのモデルを、2024年以降に発表された最旬ラインナップを中心に時系列でご紹介します。
あなたの足元を洗練されたスタイルへと導く、運命の一足がきっと見つかるはずです。
New Balance 1906L

via GANNI
ローファースニーカートレンドを牽引するアイコン的存在、それがニューバランスの「1906L」です。
名機「1906R」のパフォーマンスソールユニットを継承しつつ、アッパーをクラシカルなローファーデザインへと昇華。
スポーティさとエレガンスが完璧に調和したデザインは、カジュアルなデニムからテーラードパンツまで、あらゆる装いに溶け込み、比類なき汎用性を発揮します。
特に、GANNIとのコラボモデルは女性のハートを鷲掴みにした名作!
Nike Air Max Phenomena

via Sneaker News
そして、ナイキが満を持して投入するのが、**セリーナ・ウィリアムズ・デザインクルー(SWDC)**が手掛けた「Nike Air Max Phenomena」です。
Air Max Sunderの革新的なソールユニットと、上質なタンブルレザーを用いたローファーアッパーの融合は、まさにデザインと機能の極致。
特にウィメンズモデルとして展開されるその登場は、すでにファッション業界に大きな期待と興奮をもたらしており、2025年のフットウェアトレンドを象徴する一足となることは間違いありません。
Air Jordan Mule Loafer

via Jordan
2025年登場の注目モデルが8月1日リリースのAir Jordan Mule Loafer。ジョーダンブランドならではの重厚感と、ミュール&ローファー&スニーカーという2つの要素を融合させたユニークな1足です。
ブラックのスムースレザーに、メタリックシルバーのAir Jordanロゴを添えたデザインは、シックでありながらストリートの遊び心も感じさせます。着脱のしやすいスリップオン構造に加え、厚みのあるソールが安定感をプラス。
スニーカーの快適さとローファーの端正さを両立したハイブリッドな仕上がりで、アクティブな大人の日常に自然とフィットする仕上がりです。
PUMA WMNS LOAFER

via Puma
スポーティとクラシックが融合したPUMAの「ウィメンズ ローファー」は、厚みのあるラバーソールと、丸みを帯びたユニークなシルエットが特徴の一足。
アッパーには光沢感のあるシンセティックレザーを使用し、センターに配された太めのストラップがモードな印象を演出。シンプルながらも存在感のあるデザインで、コーディネートに洗練されたアクセントを加えます。
ボリュームソールながら軽量に仕上げられており、日常使いにもうれしい快適な履き心地。パンツスタイルにもスカートにも合わせやすく、幅広い着こなしにマッチします。
CONVERSE ALL STAR CHUNK LOAFER

via CONVERSE
コンバースからは、過去のローファーデザインを現代の感性で再解釈した「ALL STAR CHUNK LOAFER」が注目を集めています。
チャンキーな厚底ソールでトレンド感を演出しつつ、合成皮革のアッパーが上品な光沢を放ちます。足元にボリュームを持たせるスタイルが主流の今、カジュアルな装いに洗練されたムードを添える、コンバースならではのローファースニーカーです。
VANS LOAFER

via VANS
2022年の登場以来、その独自の世界観で人気を博しているのが**VANSの「LOAFER」**です。
スリッポンとは一線を画す、クラシカルなローファーフォルムに、VANSのDNAであるキャンバスやスエード素材、そしてスケートシューズ由来の快適な履き心地と耐久性を融合。
最新作では、在原みゆ紀さん監修モデルなど、コラボレーションを通じてさらに魅力的なバリエーションが展開されており、ストリートからモードまで、幅広いスタイリングに対応します。
adidas Originals HANDBALL SPEZIAL LOAFER

アディダスの名作インドアシューズ「HANDBALL SPEZIAL」をベースに、ローファーデザインへと落とし込んだ異色の一足。スポーツ由来の機能美と、ペニーローファーの端正な佇まいが違和感なく融合しています。
アッパーには上質なスエードを使用し、クラシックなローファーらしい表情をキープ。一方で、サイドに配されたスリーストライプスやガムソールなど、SPEZIALならではのディテールがしっかりと存在感を主張します。見た目はローファーでありながら、足を入れるとスニーカーらしい安定感があるのも特徴です。
ローファーの“きちんと感”を残しつつ、足元に程よい抜けとストリート感を加えたい人にフィットするモデルです。
Mizuno WAVE PROPHECY MOC GTX

via Mizuno
日本の誇るスポーツブランド、Mizunoが提案するのは、機能性とデザイン性が高次元で融合した一足です。
特に「WAVE PROPHECY MOC GTX」は、ミズノの象徴的なテクノロジー「WAVE PROPHECY」を搭載したソールと、端正なモカシン縫いのローファーアッパーを融合。
さらにGORE-TEX素材の採用により、悪天候時でも快適な履き心地を約束します。都市生活者の多様なニーズに応える、実用的かつ洗練されたモデルです。
KEEN UNEEK LOAFER WK

via KEEN
KEENがアイコニックな“UNEEK”のコードアッパーデザインを踏襲しつつ、ペニーローファーの品格とスニーカー的快適性を同居させた新解釈モデルがこちら。
2本のレザーコードで編み上げられたアッパーは職人による手縫いで仕立てられ、高級感とクラフト感を両立。ソールには独自の「KEEN.CURVE」テクノロジーを採用し、滑らかな歩行感とクッション性を実現します。
数量限定でシリアルナンバー入りとしてリリースされたことも人気に拍車をかけ、発売後すぐ完売となったのは、この独創的なデザインと快適性、さらに限定性を求めるファンの期待が重なったためといえます。
HOKA® SPEED LOAFER

via HOKA
ランニングシューズのパイオニア、HOKAからは、その革新的な厚底ソールを最大限に活かした「SPEED LOAFER」が登場。
HOKAならではの卓越したクッション性と推進力はそのままに、上質なスエードアッパーが都会的な洗練を演出します。
足元に程よいボリュームを与えることで、現代的なプロポーションを生み出し、ファッション性と快適性を両立させたい方には最適な選択肢となるでしょう。
THE NORTH FACE Nuptse Loafer

ザ・ノース・フェイス 2025年秋冬モデルとして登場したのは、アウトドアテックとタウンユースを絶妙にミックスしたローファースニーカー。
ヌプシシリーズならではの機能性とユニークなローファースタイルを両立し、足全体をふんわりと包み込む履き心地が特徴です。
厚みのあるラバーソールが安定感とグリップ力を発揮し、寒い季節のタウンユースやワンマイルのお出かけにぴったり。ローファーの端正さと、アウトドアブーツの実用性を兼ね備えた、ハイブリッドなモデルです。
crocs The Gallery Shoe

クロックスが提案する新しいスタイル「The Gallery Shoe」は、ブランドの快適さをそのままにローファーライクなデザインへと進化したモデル。
スエード調のアッパーが上品さを演出しつつ、柔らかな質感でリラックスした履き心地を叶えます。
厚みのあるフォームソールは軽量でクッション性に優れ、足元にボリューム感をプラス。サイドにはクロックスらしい通気ホールを備え、実用性も確保。ベージュとブラックの2カラーが揃い、カジュアルにもシックにも取り入れやすい一足です。