KNWLS × Nike の初コラボ「Air Max Muse Ballet」は、エア マックス ミューズのプラットフォームソールはそのままに、アッパーを“バレエコア”に振り切って再構築したファッション・バージョン。
TPUのポインテッドトゥキャップとリブ状サイドウォール、甲を走るコルセット風のレースアップ、舌部分を極端にスリム化した前衛的な構成が特徴。
カラーはブラック、ライトベージュ、ピンク/レッド系の3色展開で、夜のドレスアップから日中のモードカジュアルまで幅広くフィットしそうです。
デザイン性と素材
バレエシューズのポワントに着想した尖ったトゥは、艶やかなTPUキャップで構築。
アッパー中央部は大胆に抉ったような“ホロウ(空洞)”構造で、足の甲をきれいに見せるコルセット風レースアップを際立たせます。ソールは〈ミューズ〉らしいセグメント構造で、ヒールはボリューム、トウは薄く、横顔のコントラストが効いた近未来的なプロポーションが印象的です。
ブラックはパテント的なグロス感、ベージュは柔らかなナチュラルムード、ピンク/レッド系はドラマティックな差し色として映える仕上がりです。
履き心地・機能性
スタック感のあるヒールとスリムなトウへ流れるプラットフォームは、足入れ時の“スタイルアップ”効果と歩行時の安定感の両立を狙った設計。アッパーのカットアウト配置により足当たりは軽やかで、フィットはレースで微調整可能です。
従来のスニーカーの快適性に、パンプス的なシャープさを持ち込むことで、通勤〜アフター6の“ON/OFF横断”スタイルにも対応。踵側のボリュームと前足部の薄さが姿勢を美しく見せ、足首からふくらはぎのラインまでをすっきり演出します。
KNWLS × Nike Air Max Muse Balletのデザイン背景について
今回のコレクションは、Nikeが掲げる“アスリート中心のイノベーション”と、KNWLSの“ハイ・フェム・アーマー(フェミニンな鎧)”という美学の交差点にあります。
エア マックス ミューズの面影は、セグメント状のプラットフォームに最も色濃く残りますますが、アッパーは“別物”と言えるほど刷新されています。
従来のスニーカー然としたボリュームやシュータンの厚みを削ぎ、ポインテッドトゥと甲のレースで「パンプス × スニーカー」の交差点を新定義。
ヴィンテージサッカースパイク由来のシャープさ、KNWLSのブーツ由来の官能性が、“ミューズ”のモダンな骨格と結びつき、日常〜非日常の境界を軽やかに横断するデザイン言語へと進化しています。
アパレル側ではFlyknitの糸を用いた立体コルセットや、Dri-FIT素材に再帰反射ダーツを配したセットアップなど、テクニカル素材の再解釈が鍵となり、「Muse Ballet」という新たなデザインを輩出することによって、バレエ/サッカー/ブーツという異なるカルチャーの融合で“クラブにも直行できる”大胆なスタイルを表現し、2025年の“スポーツ × ラグジュアリー”潮流を象徴する一足に仕上がっています。
今までのエアマックスミューズとの違い
同じく“モード × スポーツ”の文脈では、ローファー型やメリージェーン型スニーカー、厚底コート系などが拡大していますが、〈Muse Ballet〉は“ポインテッド × 中足ホロウ × セグメントソール”という三点の組み合わせで独自性が突出しています。
歩行の安定に配慮したプラットフォームを残しつつ、パンプス的な見た目と履き口の美しさを共存させる設計は希少です。カラーもブラックのグロッシーな強さから、ナチュラル、ドラマティックまで幅があり、ワードローブの核に据えやすいのも強みと言えます。