【解説】ブーム到来「NFTスニーカー」とは?有名ブランドも続々参入中

【解説】ブーム到来「NFTスニーカー」とは?有名ブランドも続々参入中

大手有名ブランドが続々と参入している「NFTスニーカー」。Nike(ナイキ)がバーチャルスニーカーやグッズをデザインする新興ブランドを買収し、デジタルへの進出を拡張したことでも注目を集めています。
この記事ではNFTやNFTスニーカーの基礎知識、各ブランドの取り組みや今後の展開について、詳しく紹介していきます。

NFTとはどういうもの?

NFT(Non-Fungible Token)は直訳すると「非代替性トークン」のこと。「非代替性」とは「唯一無二の」、「トークン」とはブロックチェーン技術を用いて発行した暗号資産のこと。

言い換えればNFTとは「世界に1つしかないデジタル資産」を意味します。

唯一無二で希少性が高く、ブロックチェーン技術により蓄積されたデータは改ざんが困難なため「コピー商品ではなく本物であること」を証明することが可能です。

NFTスニーカーとは?

NFTスニーカーとは、ブロックチェーン技術を利用した唯一無二の価値を持つ「バーチャルスニーカー」のこと。

ゲームやメタバースなどオンラインの世界で着用したり、コレクションしたりできるファッションアイテムです。

「数量限定で発売される」「資産価値の高さから投機の対象となっている」といった特徴は、現実世界の人気スニーカーと似ています。

有名ブランドも続々とNFTスニーカーコレクションを発表

現実世界でコレクター垂涎のスニーカーを生み出してきた有名スポーツブランドが、NFTスニーカーの分野に続々と参入しています。

自社が販売するスニーカーをモデルとしたデザインが基となっているケースも多いです。

Nike(ナイキ)


Nike(ナイキ)は2021年に買収したRTFKT(アーティファクト)とコラボし、NFTスニーカー「RTFKT× Nike Dunk Genesis CryptoKicks(ナイキダンクジェネシスクリプトキックス)」を発売。

Nikeが特許を持つ「CrpytoKicks(クリプトキックス)」は人気スニーカー「Nike Dunk(ナイキダンク)」をモデルに作成されており、別のNFTによる見た目のカスタムや、交配による新しいシューズの生成などが可能です。

Under Armor(アンダーアーマー)


Under Armor(アンダーアーマー)は3ポイントシュート成功数でNBA新記録を達成した、Golden State Warriors(ゴールデンステート・ウォリアーズ)所属のStephen Curry(ステファン カリー)選手の偉業を祝し、NFTスニーカー「Genesis Curry Flow(ジェネシスカリーフロー)」を発売。

記録達成時に履いていたUnder Armorのスニーカー「Curry Flow3(カリーフロー3)」を再現したもので、3つのメタバースで着用することができます。

ASICS(アシックス)

アシックス NFT スニーカー asics-nft-sneaker via asics

ASICSアシックス)はランニングシューズ、スポーツスタイルシューズ、サンダルなど9種類を展開するNFTのコレクション「SUNRISE RED(サンライズレッド) NFTコレクション」を発表し、各20点限定の「Limited Edition(リミテッドエディション)」と各1点限定の「Gold Edition(ゴールドエディション)」をオークションで販売。

各Editionの最高額入札者には、アーティストによる新たなNFTが特典として進呈されました。

NFT専門ブランドもNFTスニーカーを販売

将来的にデジタルファッションの広がりが期待される中、NFTファッションを専門に扱うブランドも続々と登場しています。

NFTスニーカーが注目される以前やブーム初期に設立した新興ブランドが多いのも特徴です。

RTFKT(アーティファクト)

スニーカー、ジャケットなどをNFTでリリースしている「RTFKT(アーティファクト)」は、NTFファッションにいち早く注目した新進気鋭のブランドです。

ブランドが作られたきっかけは、転売を目的とした人気スニーカーが1度も履かれることなく流通している状況を見て、デジタル上で流通するNFTスニーカーを思いついたこと。

有名アーティストのFEWOCiOUS(フュウオシャス)や村上隆とのコラボ作品や、2021年12月にNikeに買収されたことでも話題を集めています。

1sec(ワンセック)


日本初のNFTスニーカーを発売した「1sec(ワンセック)」は、3Dテクノロジー技術とAIの研究開発を駆使し、バーチャル・ヒューマンの企画・開発などを行う会社です。

社内のデジタルファッションレーベル「1Block(ワンブロック)」が2021年にリリースしたスニーカーは、ソールから湧き出るような非現実的なスモークや、ダイバーシティーを象徴するレインボーの配色が特徴。

販売開始わずか9分で完売し、注目度の高さを見せつけました。

Varbarian Sneakers(バーバリアンスニーカーズ)

日本初のNFTスニーカーブランド「Varbarian Sneakers(バーバリアンスニーカーズ)」は「デジタルファッションのエコシステムをNFTを使用して実現すること」を信念として2021年9月から作品を販売。

2022年5月には「VARBARIAN COLLECTION(バーバリアンコレクション)」をリリース。

所有者限定のウェアラブルNFT配布やイベントも行っています。

Another-1(アナザーワン)

NFTプラットフォームのSwappable(スワッパブル)と提携し、NFTスニーカー「NTR1-Meta(エヌティーアールワン メタ)」を発売した「Another-1(アナザーワン)」。

所有者はデジタルスニーカーを履くことやSwappableで売買することができるほか、実世界で履くことができる実際のスニーカーと交換することも可能。

イタリアのデザイナーがデザインしています。

さらに広がりを見せるNFT×スニーカーの世界

元々、コレクターが多く、転売を目的として流通することがあったスニーカーはNFTと相性が良く、デジタルファッションとなることでさらなる広がりを見せています。

単に購入するだけでなく、さまざまな楽しみ方が可能です。

NFTスニーカーを作って楽しめる「CryptoKickers(クリプトキッカーズ)」

スタイル、ソール、靴ひも、アクセサリーといったベースとカラーリングを選択することで、オリジナルのNFTスニーカーを作成することができます。

メタバース空間で飾ってコレクションしたり、販売したりすることも可能です。

作成にはPhantom(ファントム)ウォレットと仮想通貨SOLが必要。

FLOWERS FOR SOCIETY(フラワーズフォーソサエティ)

スニーカーコレクターのコミュニティとNFT市場を融合させることを目的としたドイツ初のブランド「FLOWERS FOR SOCIETY(フラワーズフォーソサエティ)」。

商品の購入でリアル商品とNFTが手に入り、所有者限定のコミュニティに参加することができます。

また、このNFTは今後リリースされる商品や限定モデルなどを入手する際の鍵になる、とされています。

NFTスニーカーのメリット

NFTスニーカーを持つことのメリットは資産価値だけではありません。

ここでは、NFTスニーカーだからこそ実現できる特長と魅力について説明します。

現実では不可能に近いシルエットが実現できる

NFTスニーカーはリアル世界で実際に履いて歩くものではないため、デザインの自由度が高いです。

例えば、足元からスモークが出たり、カラーが自在に変化したりするデザインもNFTスニーカーなら取り入れることができます。

経年劣化が発生しない

リアル世界ではどれだけ厳重に保管していても経年劣化が避けられませんが、NFTスニーカーはデジタルデータなのでコレクション中の経年劣化がなく、経年劣化による価値の喪失がない点も大きなメリットです。

NFTスニーカーの今後に注目

ファッション業界はバーチャル化に向かっており、将来的により多くの有名ブランドがNFTスニーカー業界に参入することが予想されます。

また、技術やアイデアを持つ新興ブランドの設立も広がっていくことでしょう。

ますます盛り上がりを見せるNFTスニーカーの今後から目が離せません。

SNKRGIRL編集部
SNKRGIRL編集部
神戸・東京・ニューヨークのメンバーと共にグローバルに活動する編集部メディアチーム。

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