1949年に鬼塚喜八郎が鬼塚商会を設立し、最初に手掛けたのはバスケットシューズ。
兵庫県バスケットボール協会の理事長であり、兵庫県立神戸高等学校バスケットボール部の監督でもあった松本幸雄と相談してバスケットシューズの制作を始めます。
鬼塚はバスケットシューズの開発に没頭します。
しかし、見よう見まねで作成した最初のシューズは「わらじのようだ」と叩きつけられてしまうのでした。
再びバスケットシューズの開発に取り組む鬼塚。
そんな折、
「選手の足元をよく見ろ」
という1つの助言が鬼塚の開発に大きな影響を与えるのです。
助言をもとに何度の何度も、バスケットコートに足繫く通い、選手のプレイを食い入るように観察します。
プレイ中は急加速と急停止が繰り返されるため、バスケットシューズにはコートを掴むグリップ力が必要だと気付くのでした。
気づきをどうすればシューズに落とし込めるのか、考えをめぐらす日々。
きゅうりの酢の物に入っていたタコの吸盤から着想を得て、ソールに吸着盤のような凸凹した設計を取り入れた「TIGER BASKETBALL SHOES」を開発しました。
松本幸雄監督にも認められ、全国に広がります。