2026年2月、ミラノ・ファッションウィークで発表されたOnitsuka Tiger 2026年秋冬コレクションが、海外でも国内でも注目を集めています。
日本を代表するブランドが歩んできたスポーツとモードの関係性を改めて再定義するともいえる内容に。
クリエイティブディレクター Andrea Pompilio のもとで提示された今季の最大の注目は、ブランドの象徴ともいえる「MEXICO 66」をベースに再構築されたポインテッドトゥのスリングバックヒール!
スニーカー由来のストライプ意匠を残しながら、ヒールというフォーマットへ大胆に転換することで、“スポーツシューズのDNAはどこまで拡張できるのか”という問いをランウェイ上に提示しました。

本コレクションは日本的美意識である「間(Ma)」の概念を軸に構成されています。
余白、緊張、静けさ――装飾を削ぎ落としながらも存在感を成立させるデザインは、従来のスポーツラグジュアリーとは異なる方向性を示しているようです。
興味深いのは、スニーカー的構造をあえてドレスシューズやヒールへと移植している点で、折り返しフラップやベルトディテール、シャープなトゥラインなど、機能と装飾の境界を曖昧にするアプローチは、現在進行中のフットウェアトレンドとも強く共鳴しています。
それは単なるスタイルチェンジではなく、「スニーカーとは何か」という定義そのもののアップデートであり、パフォーマンス、ファッション、ジェンダー、用途――それらを横断するOnitsuka Tigerの提案は、スニーカーがストリートカルチャーを超え、完全にファッション言語として成熟したことを示しているのかもしれません。
2026年FWは、過去のアーカイブを参照しながら未来へ接続する、ブランドの転換点を象徴するコレクションといえます。