【レディーススニーカーの歴史】女性用スニーカーの起源から名作までを徹底解説

【レディーススニーカーの歴史】女性用スニーカーの起源から名作までを徹底解説 【レディーススニーカーの歴史】女性用スニーカーの起源から名作までを徹底解説 via oyo-7.top
女性がスニーカーを履く時代は、いつから始まったのか?

レディース用スニーカーの歴史について、その進化を物語るスニーカーと共に解説し、スニーカーが好きな皆さんにもウィメンズ/レディーススニーカーの歴史を知っていただき、更にスニーカーへの愛を深めていただきたいという想いを込めて、女性向けスニーカーがどのように誕生し、どの様に変わっていったのかを紐解いてみました。

レディーススニーカーの誕生について

レディーススニーカーの起源は、女性のスポーツ参加なのか女性専用スニーカーの開発なのか?

そもそもスニーカーの定義が何なのかも考慮してみると、

「天然皮革、人工皮革、合成繊維などのアッパーとゴム底などで製造された運動靴の一種」

なので、SNKRGIRLでは20世紀初頭の女性のスポーツ参加にまで遡るところから始めていきます。

20世紀はじめの女性のスポーツ参加

20世紀以前の時代、女性が「スポーツ」といった “男性的なアクティビティ” に参加することは認められていませんでした。

したがって、スニーカーのキッカケとなる靴は既に開発され始めていても、女性がそういった靴を履く対象として見なされてはいなかったということです。

その後の1920年代、女性がスポーツやレジャー文化に徐々に参加するようになり、女性用の運動靴もデザインされ始めました。

当時の女性がスポーツをする為の運動靴は、女性アスリートの「女性らしさ」を維持するために、ヒールのある靴にゴム底を組み合わせた靴といったデザイン。

これが、レディーススニーカーの起源といえる運動靴といえます。

via smithsonianmag.com

しかしながら、当時のこういった女性アスリートが履いていた靴は、その後のスニーカー文化にほとんど影響を与えていませんでした。

1980年代のストライキと初の女性用スニーカーの誕生

レディース専用のスニーカー「開発」され始めたのは、1980年代に起きたある労働争議がきっかけでした。

事の発端は1980年に、ニューヨーク市を中心に鉄道やバスといった交通機関を運営している会社が、一斉にストライキを起こしたことでした。

via wirednewyork.com

このため300万人以上の通勤者が仕事場への移動手段を代替せざるを得なくなり、長距離を歩かなければならない状況が続きました。

この出来事を受け、1982年Reebok (リーボック)は「フリースタイル」という女性向けのエクササイズシューズを開発しました。

これが、女性の為に開発された初めてのスニーカーとなり、女性の間で爆発的人気を誇ります。

ストライキの象徴として、また、女性の社会進出という新しい変化の象徴として、スーツを着てスニーカーで通勤するビジネスウーマンの最先端ファッションとして、当時かなりの話題でした。

1985年のエミー賞授賞式に女優のシビル・シェパードがこのフリースタイルを履いて出席したり、ニューヨークで働くキャリアウーマンの通勤シューズだったり、エアロビクスブームとも相まって、レディース専用のスニーカーが広く普及するきっかけとなりました。

このように、女性のスポーツ参加や労働ストライキなど、レディーススニーカーの歴史には、常に社会にある男女格差や制限に立ち向かってきた女性の反骨精神が根底に流れています。

レディーススニーカーの歴史を彩ったウィメンズモデル

ここからはレディーススニーカーの歴史を語るうえで欠かすことのできないスニーカーをご紹介します。

どれも有名スポーツメーカーから生まれたものであり、個性的で人気のスニーカーばかり。これらのスニーカーの背景を知ることで、レディーススニーカーへの見方が変わるかもしれません。

リーボック「Freestyle (フリースタイル)」

via highsnobiety.com

リーボック社がアメリカ進出後更に飛躍を遂げることができたモデル、それが、先述した「フリースタイル」です。

1982年に発表されたこのモデルは、女性をターゲットに開発された最初のスニーカーとして、エクササイズ用のシューズとして作られました。

それまでのスポーツシューズとは一味違い、ガーメントレザーという滑らかで柔らかいレザーをアッパーに使用することで、まるで足に革手袋を履いているような快適な履き心地を実現。

その履きやすさとデザイン性はNYのキャリアウーマンにも支持され、当時の最先端ファッションとして多くの女性を夢中にさせました。

クリーンかつクラシックなムードが漂い、都会的でカジュアルなルックスが印象的。アンクルストラップが足にフィットし、ミッドカットの作りが足首を安定させるので、履き心地も抜群です。

ソフトレザーアッパーもポイントで、足を快適にサポート。ユニオンジャックのロゴもポイント。

ナイキ「Air Swoopes (エアスウープス)」

via Nike

ナイキにとって女子バスケットボール選手では初めてのシグニチャーシューズ。

1995年から1996年シーズン、ナイキは「WMNS AIR SWOOPES」を、1996年から1997年シーズンには「WMNS AIR SWOOPES 2」をといった、

WNBA(アメリカ女子バスケットボール)のスター選手であったシェリル・スウープスから取った彼女のシグネチャーモデル「AIR SWOOPES (エア スウープス)」。

また、これらのシグネチャーシューズのデザインは、いずれも女性デザイナーの MARNI GERBERが手がけたもので、特に「WMNS AIR SWOOPES 2」は日本でもヒットしました。

ナイキ「WMNS Jordan OG (ウィメンズジョーダン OG)」

via amazon

ウィメンズジョーダンの歴史」をまとめた記事でも詳しくご紹介している、ジョーダンブランドからのウィメンズモデルとして最初に発売された「WMNS Jordan (ウィメンズジョーダン)」。

WNBA(アメリカ女子プロバスケットボール)の選手のパフォーマンスをサポートするべく開発された女性のためのジョーダンスニーカー。

Nike SB Bruin High (ナイキSBブルーインハイ)

photo via murasaki sports

“信者”とも言えるほどの熱狂的なファンも多いNike SBに、女性専用モデルはリリースされました。

スケートシューズとして初のウィメンズモデルは「Nike SB Bruin High (ナイキSBブルーインハイ)というスニーカー」。

女性スケートボーダー用に設計されたアイテムで、つま先はより浅く、アーチは狭めで、ヒールは先が細くなっており、
理想的なフィット感を実現しています。

ウィメンズスニーカーのシグネチャーモデルについて

Nike / Jordan ブランド「Air Swoopes」

先述した通り、1995年、アメリカ合衆国の元女子プロバスケットボール選手のSheryl Swoopes (シェリル・スウープス)のシグネチャーモデル「Air Swoopes (エア スウープス)」が、Nikeから発売されることになりました。

このスニーカーは、女性アスリートとして初めて自身の名を冠したシューズとして知られています。

via Nike

Air Swoopesラインは、2002年に最終モデルのAir Swoopes Premierがリリースされるまで、毎年発表されますが、LeBron, Curry, Kobe, Kyrie, Rose や Lillardなどの、他の男性アスリートのシグネチャーモデルは発売されても、女性アスリートのシグネチャーモデルのスニーカーがリリースされることはなかなかありません。

著名人とのコラボレーション

ウィメンズモデルのスニーカーが更に求められる中、有名人のモデル起用は過去にもありましたが、コラボレーションといった形でデザインから一緒に作っていこうという動きも始まってきました。

影響力のあるアーティストや歌手やデザイナーなど、ブランドイメージや既存のスニーカーモデルに、秀でた才能をもった女性を製作の過程に加えることで、新たなインスピレーションを生んでいます。

VA$HITE x エアジョーダン2

via @vashtie

NYのファッションカルチャーのアイコン的存在であり、映像ディレクターやDef Jamの重役、またはDJとしても活躍する「VA$HTIE (ヴァシュティ) 」を、初のウィメンズ・モデルのスニーカーをデザインする女性として起用しまして誕生したのがこちら。

今作は、ヴァシュティー自身のブランド「Violette 」のテーマカラーとなっているラベンダーを全体に取り入れたデザインモデル。こちらのモデルは関連記事でも詳しくご紹介しています。

リアーナ × プーマ「スウェード クリーパー」

via Sneaker Wars

プーマは、ドイツのスポーツメーカー。1948年にアディダスの創設者の兄であるルドルフ・ダスラーによって設立されました。現在はフランスの大手グループの傘下にあります。

超人気歌手のRianhaa (リアーナ)とプーマがコラボレーションしたスニーカー「Suede Creeper (スウェード クリーパー)」。リアーナは2015年1月にプーマとパートナーシップを締結し、ウィメンズクリエイティブディレクターにも任命されています。

スウェードはプーマの中でも代表的なモデルで、このスニーカーをベースにアレンジしたのが「スウェード クリーパー」。厚底をラバーソール風に仕上げ、アッパー素材をスウェードに、シュータンに「PUMA by Rihanna」というタグを入れることで、新しい個性を生み出しました。カラーは全3種類。米国や日本で2015年9月に発売されました。

ちなみに、このようなスポーツブランドとの共同開発は、プーマが先駆けとなっています。1998年に締結したプーマとドイツのファッションデザイナーのジル・サンダーとのコラボレーションがきっかけで、このコレクションは2009年まで長く続きました。

他にも、日本のシューズブランドのミハラヤスヒロや、イギリスのファッションデザイナーのニール・バレットや、フセイン・チャラヤン、アレキサンダー・マックイーン、イタリアのラグジュアリーシューズブランドのセルジオ・ロッシ、インダストリアルデザイナーのフィリップ・スタルクなど、あらゆるファッション系ブランドとプーマはコラボレーションしています。

メロディーエサニ × ナイキ「WMNS Air Jordan 1 "Fearless Ones"」

via atmos Tokyo

ナイキのシグネチャーシューズとして名高い、エアジョーダン1のフィワレスワンズコレクションから、メロディーエサニとのコラボレーションモデルが2019年に登場しました。

メロディーエサニは、世界的な人気を誇るジュエリー&シューズブランドであり、そのデザイナー。ロサンゼルスに在住するペルシャ人であり、女性の格差問題や様々な思想、文化に対して、女性ならではの視点でデザインに融合させています。メロディーエサニが売り出す商品は、個性的でありながらラグジュアリーなのが特徴。メロディーエサニはナイキの他、リーボックともコラボレーションしています。

本作は左右でカラーリングが違っており、片方はレッドやピンク、もう片方はグリーンやブルーを基調としたデザインが特徴。両方ともホワイトとネイビーを差し色にし、ビビットな色調が足元に印象を与えます。

ミッドソールには英文が刻んであり、アウトソールにはクリア素材が使用されています。また、靴紐の下部にはゴールドカラーの時計が付けられ、ジュエリーブランドとの見事なコラボレーションを実現しました。

レディーススニーカーの歴史は今後もっと繁栄する!

ファッションアイテムを選ぶとき、自分の直感やトレンドだけでなく背景や成り立ちを知った上でチョイスすると、アイテムにもより愛着が増し、ファッションの楽しみ方も広がります。

レディーススニーカーの歩みの裏には、労働ストライキから始まった女性の社会進出の歴史がありました。

そうした女性たちの想いが原動力となって大きくなり、ウィメンズサイズの登場や、女性アスリートや歌手とのコラボレーションなどに広がっていったのです。

そして、近年の時代の変化と共に、女性マーケットの更なる開拓もスニーカーブランド各社でどんどん進められています。

今後のスニーカー業界に女性がどんな影響を更に与えていくか、どんな女性がスニーカーカルチャーに影響をもたらしていくのか、レディーススニーカーの歴史はこれからも目が離せません。

編集長 Eriko
編集長 Eriko
SNKRGIRL編集長。収集歴10年。現在は約60足所有。アメリカ在住15年。NYから2017年に帰国。好きなスニーカーは「Air Huarache」。

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