【ハローキティ】の歴史と秘密「カワイイ」の象徴に込められたメッセージとは

【ハローキティ】の歴史と秘密「カワイイ」の象徴に込められたメッセージとは via サンリオ

子どもから大人まで、幅広い年代に「キティちゃん」という愛称で親しまれているハローキティ。
一体どのような経緯で生まれたキャラクターなのでしょうか。
今回は、ハローキティの歴史や魅力を解説します。

当初は「名前のないキャラクター」だったハローキティ

大人気のキャラクターハローキティですが、実は当初「名前のないキャラクター」だったことをご存じでしょうか。

まずは、ハローキティの誕生の秘密を深掘りしていきましょう。

ハローキティ誕生の秘話

株式会社サンリオは当初、ライセンスの認可をうけ「ピーナッツ」のキャラクター「スヌーピー」の商品を取り扱っていました。

キャラクター商品の人気の高まるなか、自社が著作権を持つオリジナルキャラクターの開発を目指すようになります。

そして開発されたキャラクターのうちの一つこそが「ハローキティ」だったのです。

初めての登場グッズはプチパース

ハローキティが初めて登場したグッズはビニール製のがま口「プチパース」でした。

ほかのキャラクターのプチパースも販売されましたが、数あるなかでもハローキティの商品が群を抜いて売れたといわれています。

高い売上を誇りながらも販売当時は、まだハローキティという名前はついていなかったのです。

人気の高まりから「ハローキティ」のプロフィールが決まる

プチパースの販売状況や、ハローキティの人気が高まっている背景から名前や出身地など、詳しいプロフィールが設定されました。

名前の理由は?

名前の由来は、有名な小説家ルイス・キャロルの著書「不思議の国のアリス」だといわれています。

不思議の国のアリスの続編である「鏡の国のアリス」に登場する飼い猫の名前「キティ」がベースです。

そこに「ハロー」を付け加えて「ハローキティ」という名前になりました。

ハローキティはイギリス出身?

キャラクターの人気とともに名前や身長、体重、家族構成や好きなものまで、さまざまなプロフィールが決定していきました。

また、意外と知られていないことですが、実はハローキティの出身地は「イギリス」とされています。

出身地をイギリスにした理由について3代目デザイナーの山口裕子氏は、「当時日本人女児が憧れる国の上位にランクインしていたため。」と語っています。

徹底した顧客リサーチを実施

一世を風靡したハローキティですが、次第にキャラクター人気が落ち着く時期が訪れました。

世間の動向を知るため、山口氏は同社が運営する直販ショップへと出向き、ハローキティについて直接顧客リサーチを行います。

リサーチの結果を踏まえて、黒色の輪郭線を外したり、ファッションに応じてポージングや固定された頭身を変更したりするなどの工夫を施しました。

その結果、トレンドファッションを着こなす、質感を変えるなど従来とはイメージが異なるハローキティが誕生。

バリエーションの幅の拡大につながったのです。

再ブーム到来!きっかけは「コギャル」&「プリクラ」

ハローキティの人気が再熱したきっかけは、コギャルやプリクラだったともいわれています。

ここからは、再ブーム到来の流れを詳しく見ていきましょう。

プリクラの流行をキャッチ

1995年にプリントシール機、通称「プリクラ」が登場して当時の女子高生たちの間でブームとなりました。

その人気をいち早く察知し、サンリオキャラクター用のプリクラ機械をショップに設置しました。

すると、女子高生たちの間で大きな話題となり、再びハローキティブームが巻き起こったのです。

ハローキティが女子高生のトレンドを作る

プリクラをきっかけに通称コギャルと呼ばれる女子高生たちに再び愛されるようになったキティちゃん。

なかでも、コギャルに大人気だったのがパールシリーズです。

パールシリーズのハローキティを真似して、頭に花を飾るのが女子高生のトレンドとなりました。

ハローキティ ボーイフレンドの存在を公開

ハローキティのボーイフレンドとして広く知られている「ダニエル・スター」。

しかし当初はハローキティ=アイドルとしての位置付けから、ハローキティにボーイフレンドのキャラクターは用意されていませんでした。

きっかけはアイドルの彼氏公表

なぜハローキティにボーイフレンドの存在ができたのか。

そのきっかけは、人気アイドルが恋人の存在を世間に公表したことだったといわれています。

デザイナーは大きな衝撃を受け、ハローキティにも彼氏のような存在を作ることを決めました。

そして、ボーイフレンドであるダニエル・スターのキャラクターが誕生しました。

「Kawaii」の象徴として

ハローキティの人気は国内に留まらず、海外でも多くのファンを魅了しています。

ハローキティの海外人気についてチェックしていきましょう。

海外での展開

日本のビジネスモデルをそのまま海外に移転させる戦略をとり、米国向けの商品開発を現地でスタートしました。

その後、流通網の拡大やライセンス供与を通じたコラボによって、人気を世界中に拡大します。

また、日本の「かわいい」文化が海外で注目され、ハローキティはその「Kawaii」の象徴も担う存在となりました。

海外セレブからも愛されるハローキティ

ハローキティ 海外セレブに人気-Hello-Kitty-popular with Overseas celebrities via SPICE

ハローキティは海外セレブたちにも広く親しまれる存在です。

たとえば「ケイティ・ペリー」「レディーガガ」「パリス・ヒルトン」からも愛されていることで有名です。

海外セレブたちがキティグッズを愛用していることが世間に知られたのも、海外ファンが増えるきっかけとなりました。

キティちゃんは猫じゃない?!デザイナーのひとことで世界中が大騒ぎに

アメリカで展示会を行う際、サンリオが「ハローキティは猫ではない」というメッセージを発信したことが、世界中で大きな話題となりました。

サンリオはハローキティについて、猫がモチーフであるものの猫ではなく、擬人化されたキャラクターであると説明しています。

この事実に世界中の多くの人々が衝撃を受けました。

ハローキティが伝える大切なこと

ハローキティは「口がないこと」「リボンをつけていること」が大きなトレードマークです。

それぞれの込められた意味を探っていきましょう。

①言葉ではなく態度で示すことの大切さ

ハローキティに口が描かれていないのには理由があり「やさしさや思いやりは言葉だけではなく態度で示しましょう」というメッセージが込められています。

また、口のないデザインによって、ハローキティを見た人が感情移入しやすいようにという想いもあります。

②リボンは皆と仲良くすることの象徴

ハローキティの象徴ともいえる左耳の赤いリボン。

リボンは「人の心と心を結ぶ」ことを象徴しており「なかよしの輪を広げる」という意味が込められています。

ハローキティは可愛らしく魅力的な見た目はもちろん「みんななかよく」というメッセージを届けるために大切なキャラクターとなっています。

ハローキティは国や年代を超えて愛されるキャラクター!

ハローキティは男女問わず、子どもから大人までファンの多い人気キャラクターです。

意外な誕生秘話や歴史、設定を知ることによって、よりハローキティへの興味が深まったのではないでしょうか。

SNKRGIRL編集部
SNKRGIRL編集部
神戸・東京・ニューヨークのメンバーと共にグローバルに活動するメディアチーム。

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