10月16日公開予定【Queens of Sole 特別版 | 高見 薫さん】EP.3 新天地UGGでのスニーカー戦略と今後の展開とは

10月16日公開予定【Queens of Sole 特別版 | 高見 薫さん】EP.3 新天地UGGでのスニーカー戦略と今後の展開とは

90年代からNike Japan (ナイキ・ジャパン)の営業担当として活躍し、UGGという新天地でスニーカー部門の立ち上げから携わっている「高見 薫(たかみ かおる)」さんへの単独インタビュー第3話。

UGGでの新たな挑戦や、数々のプロジェクトを手掛けてきた高見さんが掲げる今後の展開をお聞きしました。

INDEX

新天地UGGでのスニーカーライン立ち上げ

UGGのイメージを踏襲したスニーカーデザイン

2016年にNikeを退職し、その2年後の2018年からデッカーズジャパンに入社しUGGの担当をしている高見さん。

UGGがスニーカー部門を設立したのが2018年〜2019年で、立ち上げからUGGのスニーカーラインに携わっておられます。

ファーストモデルとなったスニーカーCA805は、「シープスキンブーツのUGG」というイメージが強いため、あえてシューレースにせずジッパーを採用。

同じグループでランニングシューズもあるため、他モデルとの差別化も図って最初はジッパーデザインを取り入れ、翌年からシューレースデザインが採用されたそうです。

“厚底”のイメージが強いUGGのスニーカーですが、ここにもスニーカーシーンに参入するための戦略が隠されていました。

UGGとしてもフラットソールしかなかったものの、膨大な数のスニーカーが他メーカー・ブランドからも発売されているなか、このままフラットソールでスニーカー業界に参入できないと考え、

同グループのランニングシューズの技術を使い、厚底スニーカーにすることで、歩きやすさを向上。

元々女性人気が強いUGGですが、創設者は男性だったこともあり、“男性にもスニーカーを売りに行こう”という思いもスニーカー部門始動の裏にあったそうです。

日本向けのプロモーションが本国にも影響

UGGのスニーカー部門が始まってすぐ、日本や他の国でも展示会でスニーカーを並べるも、誰もオーダーしないという状況が続いたそうです。

アメリカ本国では、あまりもの人気の無さから販売もされないというほど、スニーカー部門の滑り出しとしては順調には進まなかったといいます。

展示会でも発注されないという状況だったなか、日本ではすでに在庫も抱えていたため、日本向けのプロモーションを実行。

すると日本のスニーカーショップやメディアでも取り上げられ、アメリカのメディアHypebeastが「日本限定なのか、日本先行発売なのか」と目をつけたことで、本国アメリカでも追って生産することになったといいます。

カルチャー黎明期を知る高見さんが語る今後の野望

今後の目標について「あまりないんですよね、やり尽くしたとも感じています」と答えた高見さん。

こう答えるのは、さまざまなプロジェクト仕掛けてスニーカーブームの黎明期を駆け抜け、マーケットがこれほどの大きな規模になるまで、スニーカーと人生をともにしてきた高見さんだからこそ。

怒涛の日々をともに過ごした同僚と「何か面白いことやろうよ」「もうちょっとはちゃめちゃなのが私たちじゃないの」とも話しているといい、今後の更なるご活躍に期待が高まります。

編集後記

今回の企画を進めるに当たって、高見さんには多大なご協力を賜りました。

お話をさせていただく中でとても印象的だったのが、高見さんの「ゆるさ」でした。

業界内でのストーリーを語られる中には核心をつくコメントがあったり、絶対に出せない裏話までお話いただけたり、武勇伝とも言える壮絶な苦労話もあったりするのですが、そこには自虐もあれば反骨精神もあるし、ユーモアに溢れていて、ウィットに富んでいて、そして何よりリアルである。

優しいけど弱くない、ほどよい軽さはあるけど浅くない、チャーミングだけど厳しさもある、そんな絶妙なバランス感がある最高に格好良い「ゆるさ」を感じ、憧れてしまいました。

「ゆるい」と表現されることには、色んなバランスが絶妙に良くないと出せないハイレベルな格好良さだという持論があるからかもしれませんが、私が「ゆるさ」と称する格好良さには、飾らない自身をさらけ出せる強さがあるのだと感じ、女性としてとても魅力的です。

そして、スニーカー業界のみならず、90年代の日本にはまだ色濃くあった(現在もさほど薄れたわけではないけれど)男性至上主義的な風潮の中、女性として社会で働くあることへの風当たりの強さに屈せず、Nike Japanが日本市場で成長する過程を「JUST DO IT」の精神とともに様々な試練や苦労を突き進み、今となっては面白かったと振り返るその姿に、心から敬意を表します。

Air Max 95の熱狂、Nike Shopの立ち上げ、日本で最初の女性向けファッション・スニーカーの輩出 (X-GIrl x Nike Blazer Mid)など、日本のスニーカー史の中でカルチャーとマーケットが成長し今に至るまでには、大きく貢献してきた女性もいること。

どうしてもその存在を多くの女性に知ってほしいし、ストーリーを伝えたかった。

小さなインディペンデント・メディアであるSNKRGIRLのお声がけにも快くお受けいただけたことは、この上なく名誉なことです。

とても貴重な機会をいただけたこと、編集部一同心より感謝いたします。

こういったストーリーを伝えることがSNKRGIRLの存在意義であると信じているし、日本のみならず世界のスニーカーカルチャーの中の女性にとって、そして全ての人にとって、スニーカーをもっと好きになるきっかけになりエンパワーメントになればと願っています。

 

SNKRGIRL編集長 壺阪英莉子

YouTubeでの本編:EP.3

SNKRGIRL編集部
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神戸・東京・ニューヨークのメンバーと共にグローバルに活動する編集部メディアチーム。

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