「加水分解」とは、スニーカーのミッドソールなどに使われるポリウレタンが湿気や水分に反応して化学変化を起こし、ボロボロになってしまう現象です。
新品のまま保管していても加水分解は進行するため、「履いていないのに劣化した!」というケースも珍しくありません。
加水分解は、主に経年劣化によるものですが、保管環境やスニーカーの素材によって進行スピードが変わります。
特に、湿気の多い場所で保管したり、長期間まったく履かずに放置したりすると、加水分解のリスクが高まります。では、スニーカーが加水分解してしまう要因を詳しく見ていきましょう。
スニーカーが加水分解する主な要因
スニーカーが加水分解する主な要因は、**湿気・温度変化・長期間の放置**の3つです。これらの条件が揃うと、スニーカーの寿命が縮まり、想像以上に劣化が進行することも。具体的にどのような影響があるのか見ていきましょう。
湿気や水分
スニーカーのミッドソールに使われるポリウレタンは水分に弱く、湿気の多い環境では劣化が進みます。特に梅雨時期や、風通しの悪いクローゼットでの保管は要注意。湿気を防ぐ工夫をしないと、気づかないうちに加水分解が進んでしまいます。
温度変化
急激な温度変化も加水分解の要因となります。寒暖差が激しい場所にスニーカーを置くと、ポリウレタンが膨張・収縮を繰り返し、ひび割れや劣化が進行します。直射日光の当たる場所や、車のトランクでの保管は避けるのが無難です。
長期間の放置
履かずに放置するとスニーカーは長持ちすると思われがちですが、逆に劣化が進みます。ポリウレタンが乾燥し硬化することで、加水分解が加速。長く履きたいなら、**定期的に履いて素材を動かすこと**が大切です。
加水分解しやすいスニーカー
すべてのスニーカーが加水分解するわけではありませんが、特に以下のようなスニーカーは要注意です。
- ポリウレタンを使用したモデル(例:エアクッション搭載のスニーカー)
- 長期間保管されていたデッドストック品
- 中古で購入した年数の経ったスニーカー
- 通気性の悪い場所に保管されていたもの
ポリウレタンは軽量でクッション性に優れていますが、水分に弱いため経年劣化しやすい素材です。特にエアクッションを搭載したスニーカーは、ソール部分にポリウレタンが多く使用されているため、注意が必要です。
また、デッドストックや中古品はすでに経年劣化が進んでいる可能性があるため、未使用品であっても購入後すぐに履けないことがあります。購入時には製造年や保管状態を確認し、加水分解が始まっていないかチェックすることが大切です。
加水分解が進行するとどうなる?
加水分解が進行すると、スニーカーは以下のような状態になります。
- ソールがボロボロと崩れる
- クッション性が失われる
- 履いたときにベタつく・ひび割れる
特にソールの崩壊は、スニーカーの使用に大きな影響を与えるため、早めの対策が必要です。
初期段階では見た目に変化がなくても、履いたときに違和感を覚えることが多く、歩行中に突然ソールが剥がれるケースもあります。また、表面がベタつくのは加水分解が始まったサイン。
ゴムや接着剤が劣化し、手で触るとべたつく感触がある場合は、早めの対策を講じることが重要です。
劣化が進むと、修理が難しくなるため、スニーカーを長持ちさせたい場合は、適切な保管方法や定期的なケアを心がけましょう。