「ジェンダーレス」とは、「社会的・文化的な男女の区別がないさま」または区別をなくそうとする考え方を意味します。
「男性らしく」や「女性らしく」といった固定概念を取り払い、それぞれの在り方を尊重しようという考えが広がり、「ジェンダーレス」という単語とともに知られています。
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日本では“ジェンダーレス男子”や“ジェンダーレス女子”というワードもあるように、自身の生物学的性と社会的に“逆”とされる要素を取り入れることで、その性を“打ち消す”ような意味で使われることが多い単語。
ですが、根本的な意味としては、性別に関係なく“自分らしい”を表現する、“自分らしさ”を自由に表現できる社会にしようという考えに基づいています。
日本で使われることが多い「ジェンダーレス」という単語ですが、英語圏では「ジェンダーニュートラル」という単語が多く利用されています。
ジェンダーニュートラルという単語は、性別を意味するgender(ジェンダー)と、中立を意味するneutral(ニュートラル)を組み合わせたもの。
どの性の人が取り入れても違和感のない、ジェンダーのレッテルから外れた、まさに“中立”な考えやものを指しています。
「ジェンダーレス」は男女の区別をなくそうという意味で使われることが多いのに対して、は男女の差別をなくそうという意味合いで使われることが多いのが「ジェンダーフリー」といわれています。
「ジェンダーフリー」は “従来の固定的な性別による役割分担にとらわれず、男女が平等に、自らの能力を生かして自由に行動・生活できること”とされ、
男性は働き、女性は家庭を守るという固定概念から解放される、女性の社会進出をサポートするなど、性別での差別への訴えかけとして使用されることが多くなっています。
「ジェンダーレス」という単語が注目を集めはじめたきっかけとして挙げられるのが、ダイバーシティや多様化が進み、考え方や価値観が変わってきているという点。
人々が男性・女性の2つの選択肢のみで分けられるのではなく、それぞれが“自分らしく”いられる姿でいよう、ありのままの姿を愛そうという考えが広がっています。
「ジェンダーレス」という単語が広がっている背景には、ステレオタイプに囚われない“自由”への思いや新しい価値観を感じることができます。
日本や世界的にも、さまざまなシーンで「ジェンダーレス(ジェンダーニュートラル)」な動きが注目を集めています。
2015年に発表された「SDGs」の取り組みのなかにも「ジェンダー平等の実現」が含まれていることもあり、ジェンダーに関する取り組みや意識が見直されています。
ファッションシーンや美容業界にも“ジェンダーレス”への動きが活発化。
実は身近なところにも溢れている「ジェンダーレス」の価値観が映し出された例を紹介します。
男女という性別の区別なく、自由に自分自身のスタイルを楽しむ「ジェンダーレスファッション」。
「人にどう見られるか」ではなく「自分が何を着たいのか」を重要視する人が増えたことも、“ジェンダーレスファッション”の注目度が加速した理由のひとつとも言われています。
GUCCI(グッチ)を火付け役に、GUも2022年春夏コレクションではジェンダーレスなスタイルを提案するなど、“一般的なスタイル”としてジェンダーファッションが定着しつつあります。
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ジェンダーレスファッションの定着が進むと同時に、“ジェンダーレス制服”の導入も話題になっています。
男子学生はパンツスタイル、女子学生にはスカートなど、性別での区別を廃止し、スラックスやスカート、ネクタイ、リボンなど自由に選べる制度を採用する学校も増加。
どんな生徒も心地よく、学校生活を送りやすいように、ひとりひとりが自由な制服選択できる多様性への配慮が行われています。
ファッションだけでなく、ビューティーシーンでも“ジェンダーレス”がキーワードに。
「コスメやメイクは女性のもの」というステレオタイプもあったなか、性別や肌質を問わないジェンダーレスでボーダレスなアイテムが数多く展開されています。
男性の間でも美容への気遣いが一般的となり、性やルッキズムも越えていく新たなフェーズへと突入しています。
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ハリウッドセレブや日本の芸能人のなかでも、「女らしさ」や「男らしさ」といったステレオタイプな価値観にとらわれず、自由に表現する姿が支持を集めるスターが増えています。
ジェンダーにとらわれないファッションをチョイスしてファッションアイコンとしても絶大なる人気を誇るHarry Styles(ハリー・スタイルズ)やBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)。
日本では、自分自身の“好き”をまっすぐに表現し続けているりゅうちぇるなど、今の時代を象徴するニュージェネレーションが多くの共感を集めています。
「ジェンダーレス」の考えが浸透していくにつれ、三人称の表現方法も変化しています。
例えば、いままで“she”や“he”と男女の2択で表現されていた三人称単数ですが、性別を断定しない“they”を使う人も。
インスタグラムでも自分をどの代名詞で呼んでほしいか選択できる新しい機能が搭載される(現在、日本ではまだ導入前日本からも設定可能にアップデートされました)など、多様化に合わせて日々価値観はアップデートされています。
日々新たな価値観がアップデートされ、固定概念から解放される人が増えたことで、注目度が高まっているワード「ジェンダーレス」。
「ジェンダーレス」の考えが広がることで、自分自身の好きを純粋に認めることができる、表現方法が増えるなど、ポジティブな気持ちになれる人が増えるはずです。
男女といった2極化した性別にとらわれず、ありのままの“自分らしい”を表現していきましょう!
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