古すぎる考え方【男尊女卑とは】先進国の中で最低水準な日本の性の不平等に向き合う

古すぎる考え方【男尊女卑とは】先進国の中で最低水準な日本の性の不平等に向き合う
「ジェンダーレス」「ジェンダーミュートラル」といった性差に関する多様化が広がっていく一方で、しつこく残る考え方である「男尊女卑(だんそんじょひ)」。

“そんな言葉まだあるの?”と感じる人もいるかもしれませんが、実際には未だに私たちの生活の中で根強く残り、蔓延っています。

今回は、そんな男尊女卑について改めて向き合ってみましょう。

男尊女卑とは

男性を尊重し女性を軽視することをいいます。「女性」という理由により、それは男性よりも劣っているとする考え方のことです。

日本大百科全書にも

男女平等を否定し、女性を独立した人格とは認めない思想。女性の人間的な劣性を前提に、経済的、政治的、社会的、文化的な差別の存在を容認する。

と記されていて、女性であることが男性よりも劣っているという考え方といえます。

男尊女卑の歴史背景について

外国でも見られる「男尊女卑」という考え方ですが、実は日本では戦国時代までは一概に女性の地位が低いとはいえなかったようです。

その後、特に戦国時代に定着したという説が多くみられます。

男児が生まれなければお家断絶・取り潰しとなってしまうため、「男児によるお家相続意識」がより色濃くなっていった時代から、江戸時代になると男性至上主義がさらに広まっていきました。

女性が勢力争いの道具として扱われ、結婚=人質となるといった社会的慣習ともいえる現象があった戦国時代から、江戸幕府の時代には「男女七歳にして席を同じゅうせず」とされるほどに浸透し、明治政府にまで男尊女卑の考え方は引き継がれていき、時代を経て徐々に薄まりつつ今に至ります。

1889年に発布され男性優位主義に基づいたものであった大日本帝国憲法(明治憲法)には、女性を「家の中の存在」と位置付けたもので、法律によって女性解放の動きは抑制され、女性の地位と権利が著しく低下していきます。

女性たちは男尊女卑の慣習だけでなく、明治憲法下の民法で規定された家父長制による家族制度である「「家制度」」により、男子・年長者優先で決められる「戸主」に家の支配・統率権は与えられ、女性は原則として家督相続権もありませんでした。

また「姦通罪」の対象は「夫のいる女性と密通相手の男性だけ」であり、妻ある男性が独身女性と姦通しても罪にならないなど、さまざまな点において男子優先・性別格差が、組織的・社会的に浸透していくこととなります。

via PhotoQuest / Getty Images

その後、女性参政権が与えられたのは1946年、男女雇用機会均等法が制定されたのは今からほんの35年程前のとなる1985年でした。

"1990年代中期に、日本社会はジェ ンダー平等とワークライフバランス社会への根本的な転換が求められていた" (伊藤公雄 "日本における ジェンダー平等を阻むもの")のですが、一説によるとそれは、多くの日本人男性にみられる「同調型集団主義」(伊藤公雄 同著)に阻まれ、なかなか実現することができませんでした。

今では社会的にも男女平等が当たり前の考え方になりつつあります。

しかしながら、世界的にみた日本の男女格差の現状はまだまだ低いレベルにあるようです。

世界の男女格差は いつも下位:ジェンダー指数にみる男女格差

毎年世界経済フォーラム (WEF)が発表するジェンダー・ギャップ指数と呼ばれる「社会進出における男女格差を示す指標」において、日本の総合順位はいつも下位にあります。

2019年は153カ国中 121位

2020年は156カ国中 120位

2021年は156カ国中 120位

2022年は146カ国中 116位

と全体数に対する順位は同じようなもの。G7の中ではもちろんダントツの最下位です。

女性が閣僚となる割合は全体の10%ほどという比率は長く続き、経済参画=女性の管理職や会社役員などの割合も低く、教育面や健康面での性差の状況に比べてもイビツであり、社会的に女性の立場が平等ではないことが伺えます。

ジェンダー指数2022: via 内閣府:男女共同参画局

via 内閣府:男女共同参画府 2022

日本の男尊女卑あるある

男尊女卑の例は星の数ほどありますが、こちらでは代表的な例をご紹介します。
  • 職場で、男性社員もいるのにお茶汲みをするのはいつも女性のみ
  • 同じように成果を上げてきても、男性社員ばかりが昇進・昇格していく
  • 共働きでも家庭での家事や子育てを行うのは女性のみ
  • 飲み会や食事の席で、「女性だから」という理由で料理のとりわけや世話役をあてがわれる
  • ニュースなどで「女性が○人入閣しました」などわざわざ女性を取り上げる
  • 褒めるときに「女性にしては。。。」と言われる
  • 「女のくせに。。。」と言われる
  • 「女だから」あまり賢いこと/強いことを言うなと言われる
  • 会食などで食事を共にしたとき、男性が全てを払うものであると主張される

男尊女卑を経験した時の対処法

男尊女卑は古い考え方ですが、運悪く日常生活において経験してしまった時のおすすめの対処法をごしょうかいします。

戸惑ってしまったときや、戸惑う前に是非参考にしてみてください。

「人によりますよ!」と言ってみる

女性という視点ではなく「人として」という視点での考え方にシフトすることをほのめかしたり、はっきり言ってみましょう。性差ではなく、1人の人としての評価や認識をすることに気づいてもらえ、お互いを尊重するきっかけになるかもしれません。

男尊女卑の逆バージョンをおみまいしてみる

男尊女卑な発言や行動を受けたら、その逆バージョン、つまり「男性だから劣っている」といった意味合いの発言を返してみましょう。
要するに、男尊女卑な言動をミラーリングすることでわからせる意図があります。
注意されても何が悪いのか分からないので、どんな気持ちになるかを経験させることで気付きになるかもしれません。

性差が理由にならないほど圧倒的な結果を残す

誰もが認めるほどの圧倒的に良い結果や成果をもたすことも、男尊女卑への対処法のひとつといえます。

聞き流す。無視する

とんでもない男尊女卑な人に出会って絶対に理解されないことを悟ったら、訴えたり伝えたりするよりも、無になりましょう。逆に相手の理屈で反論されたり攻撃されてしまったりしても、不毛な議論になるケースが多いので、その可能性が高いことを察知したら素早く「無」になってしまうことも対処法の一つ。

男尊女卑は古すぎて許しがたい

男尊女卑は、2023年を迎えた現代においてかなり古く、不快と矛盾に満ち溢れている考え方です。

女性にとっては耐えがたいものであり、理不尽な不平等をもたらす悪しきものである以外なにものでもありません。

また、欧米や南米などでも見られ、性差の問題としては世界規模でもあります。

いつか世界から絶滅することを願うばかりですが、男尊女卑の背景や対処法を理解し、自分たちの身は自分で守ること、そして変えないといけないことを周囲の人たちに伝え続けることで、より良い未来へ向けて変化していけるのかもしれません。

編集長 Eriko
編集長 Eriko
SNKRGIRL編集長。アメリカ在住15年を経て帰国後メディアを創設。ダンサー/DJとしても活動。好きなスニーカーは「Air Huarache」。

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